ベーチェット病は、目や皮膚、関節、消化器、神経など全身に症状が現れる難病です。

症状の重さや頻度によっては、働くことが困難になったり、日常生活にも支障が出たりします。

こうした状況にある方が活用できるのが「障害年金」です。

この記事では、ベーチェット病と診断された方が障害年金を申請するために

知っておきたい基礎知識、認定基準について解説します。

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の１つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。

障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

障害年金はきちんと保険料を納めている方の権利ですので、

障害年金を受け取っていないということは、65歳になっても年金を受け取っていないようなものです。

障害年金を受け取れる方は必ず申請することをお勧めいたします。

障害年金の基礎知識についてはこちら

障害年金でもらえる金額についてはこちら

障害年金を申請するための3つの条件

初診日要件・・・初診日（初めて現在の病気で受診した日）を書類で証明できること

保険料納付要件・・・一定額の保険料を納めていること

※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は不要です（20歳前障害年金）

障害認定日要件・・・初診日から1年6か月経過していること

※20歳前に初診日がある場合は、原則として20歳到達時に障害認定日になります。

初診日から1年半後が20歳を過ぎている場合は、本来の障害認定日となります。

等級の目安（認定基準）

ベーチェット病は、症状が目・皮膚・関節・消化管・神経など多岐にわたるため、「肢体の障害」「視覚障害」

「呼吸器・消化器障害」「精神の障害」など複数の認定基準をもとに審査されます。以下は一例です：

1級： 日常生活のほぼすべてにおいて介助が必要で、外出も困難な状態

2級： 自力での生活が難しく、通院や買い物なども他者の援助が必要

• 3級： 再燃や後遺症の影響により就労継続が難しく、職場で配慮を要する状態

（※3級は初診日に厚生年金に加入していた方のみ対象）

診断書の内容がカギを握る

障害年金の審査では、医師の診断書が最も重要な資料になります。ベーチェット病の場合、

以下の点が具体的に記載されていることがポイントです：

・各症状の発症頻度と重症度

・視覚障害や神経症状の有無とその程度

・移動、着替え、食事、入浴など日常生活での支障の程度

・関節や皮膚の状態、歩行能力

・消化器・神経症状の影響

・発作の再燃頻度と症状が生活や就労に与える影響

・疲労感や倦怠感により外出や労働が困難である状況

疲労や日常生活（食事・洗濯・買い物・外出など）の制限度合い痛みによる就労制限

症状が一見して「軽度」に見える場合でも、再発性や就労不能に結びつく影響をきちんと

診断書を依頼する際は、これらを医師に丁寧に説明し、具体的な生活への影響を反映してもらうことが大切です。

よくある質問（Q&A）

Q1. ベーチェット病でも障害年金は受け取れますか？
A1. はい、症状が一定以上の重度であれば障害年金の対象になります。視覚障害や神経症状、

日常生活の支障などが明確であれば、等級に該当する可能性があります。

Q2. 症状に波があるので、軽い時期は対象外ですか？
A2. 障害年金では「最も症状が重い状態」を基準に評価します。再発を繰り返している場合や

長期的に生活制限がある場合は、申請対象となり得ます。

Q3. 初診から長期間経っていても申請できますか？
A3. はい、初診日が証明できれば、現在の症状に基づき申請可能です。条件を満たせば、過去5年分の遡及請求も可能です。

まとめ

ベーチェット病は症状が多様かつ再燃を繰り返すため、障害年金の対象にならないと誤解されることもあります。

しかし、実際には、日常生活や就労への影響が認められれば、障害年金の支給対象となることは十分にあります。

診断書の内容、病歴の整理、日常生活の支障の記録が審査のカギとなるため、

早期から準備を始め、適切に制度を活用することで、生活の不安を軽減し、安心につなげましょう。

専門家への相談のメリット

社労士に依頼するメリット

①労力

体調が悪い方、働いている方にとっては障害年金の申請はなかなか大変な作業です。

社労士に依頼することで治療に専念できます。

②スピード

自分で申請すると半年ほど申請にかかってしまう場合もあります。

プロなら約3カ月で申請が可能です。

受給できるタイミングがその分早くなります。

➂受給可能性

障害年金の申請にはいくつかハードルがあり、本来受給できる方が不支給になってしまうことも…

プロならそのハードルを乗り越えることもできます。