心臓の疾患で移植手術を受けた方、人工心臓(補助人工心臓)を装着している方へ。
「障害年金の対象になるのか?」「どの等級で認定されるのか?」と不安を抱えていませんか?
このコラムでは、心臓移植や人工心臓装着と障害年金の関係、認定基準、申請時のポイントを解説します。
目次
心臓移植・人工心臓装着とは?
✅ 心臓移植とは
末期心不全など、薬や手術での回復が見込めない重度の心疾患に対し、提供者(ドナー)からの心臓を移植する治療法です。
✅ 人工心臓とは
移植を待つ間、または移植が困難な人に対して心臓の機能を補助するために装着する機器です。
携帯型ポンプなどが体外に装着され、日常生活に制約を伴います。
これらの状態は、重大な心機能障害に該当し、障害年金の受給対象となります。
障害年金とは
「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
障害年金はきちんと保険料を納めている方の権利ですので、
障害年金を受け取っていないということは、65歳になっても年金を受け取っていないようなものです。
障害年金を受け取れる方は必ず申請することをお勧めいたします。
障害年金の基礎知識についてはこちら
障害年金でもらえる金額についてはこちら
障害年金を申請するための3つの条件
初診日要件・・・初診日(初めて現在の病気で受診した日)を書類で証明できること
保険料納付要件・・・一定額の保険料を納めていること
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は不要です(20歳前障害年金)
障害認定日要件・・・初診日から1年6か月経過していること
※20歳前に初診日がある場合は、原則として20歳到達時に障害認定日になります。
初診日から1年半後が20歳を過ぎている場合は、本来の障害認定日となります。
心臓移植・人工心臓装着と障害年金の認定基準
心疾患による障害年金の認定は、【心疾患の障害認定基準】に基づき判断されます。
心臓移植、人工心臓装着中は、原則1級認定が想定されます。
しかし認定基準には、
「1~2年程度経過観察したうえで症状が安定しているときは、
臨床症状、検査成績、一般状態区分表を勘案し、障害等級を再認定する。」と記載されています。
つまり、更新などで症状が安定していた場合は、2級や3級(初診日が厚生年金の方のみ)、支給停止
の認定になる可能性があるということです。
申請時のポイント
初診日の特定が重要
移植や人工心臓装着に至った心疾患(拡張型心筋症・虚血性心疾患など)の初診日を明確にする必要があります。
⇒ 初診日は保険制度(国民年金/厚生年金)に関わるため、非常に重要です。
診断書の記載内容に注意
「心疾患用の診断書」で、以下の点が詳しく記載されているかが重要です。
・NYHA心機能分類(Ⅰ~Ⅳ)
・心臓移植・人工心臓装着の時期と経過
・服薬・治療内容
・日常生活の制限(通勤、家事、歩行など)
・装着機器の使用状況(電源管理、持ち運び等)
よくある質問(Q&A)
Q1. 心臓移植後、症状が安定していても障害年金を申請できますか?
A1. はい、障害年金の支給対象とされる可能性があります。検査結果や生活への支障の程度などを
考慮し、審査されます。
Q2. 認定されるために必要な診断書はどのようなものですか?
A.2 心疾患用の「障害年金用診断書」が必要です。心機能の分類(NYHA分類)や、移植・人工心臓の装着状況、
日常生活への影響などが記載されたものが求められます。
まとめ
心臓移植や人工心臓の装着は、重度の心疾患による生活制限の証拠となり、障害年金の対象となります。
・初診日の特定
・適切な診断書の取得
・日常生活の制限の記録
これらが、受給成功のカギを握ります。
ご自身での申請が不安な方は、障害年金専門の社労士にご相談ください。
専門家への相談のメリット
社労士に依頼するメリット
①労力
体調が悪い方、働いている方にとっては障害年金の申請はなかなか大変な作業です。
社労士に依頼することで治療に専念できます。
②スピード
自分で申請すると半年ほど申請にかかってしまう場合もあります。
プロなら約3カ月で申請が可能です。
受給できるタイミングがその分早くなります。
➂受給可能性
障害年金の申請にはいくつかハードルがあり、本来受給できる方が不支給になってしまうことも…
プロならそのハードルを乗り越えることもできます。


