こんにちは、北陸障害年金相談センターです。
この記事では、自閉症スペクトラム障害(ASD)で障害年金を申請する際のポイントをお伝えします。
自閉症スペクトラム障害(ASD)とは
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、対人関係や社会的なコミュニケーションに困難を抱える発達障害です。
また、特定の興味や行動に強いこだわりを持つことが特徴です。
ASDの症状は個人によって異なり、軽度から重度まで幅広いですが、
日常生活や就労に支障をきたす場合、障害年金の対象となることがあります。
自閉症スペクトラム障害(ASD)での障害年金受給要件
初診日要件・・・初診日(初めて現在の病気で受診した日)を書類で証明できること
保険料納付要件・・・一定額の保険料を納めていること
障害認定日要件・・・初診日から1年6か月経過していること
ただし、自閉症スペクトラム障害は幼少の頃に初診日がある場合も多いです。
初診日が20歳より前にある場合は、受給要件がかわります。
初診日要件・・・障害の原因となった病気やけがについて、20歳前に初めて医療機関を受診している
ことが要件。※ 初診日を証明することが困難なケースが多いので注意!
障害認定日要件・・・原則として20歳到達時に障害等級2級以上の障害に該当していること。
初診日から1年半後が20歳を過ぎている場合は、本来の障害認定日。
保険料納付要件・・・保険料納付要件は課されません。
所得制限・・・20歳前の障害基礎年金には所得制限が適用されます。所得制限を超える場合、
年金が支給停止となることがあります。
所得制限の具体例(令和6年度基準)
所得制限は障害年金を受給する本人の所得が基準です。家族の所得は影響しません。
年間所得が4,718,000円以上で全額支給停止。
自閉症スペクトラム障害(ASD)で申請する際の注意点
自閉症スペクトラムの障害年金の審査では生活状況の評価と就労状況が大きくかかわります。
日常生活の評価では、以下のような項目が重視されます。特に日常生活での自立度が重要です。
- 適切な食事ができるか
- 身の回りの清潔を保てるか
- 金銭管理や買い物ができるか
- 通院や服薬を自力で管理できるか
- 他人との意思伝達や対人関係を保てるか
- 危機対応や安全確保ができるか
就労についてはまずは、就労できるかどうか、また就労しているのであれば、
どの様な雇用形態かなどが評価されます。
- 就労状況の影響:フルタイムで働けている場合、受給は難しくなる可能性が高いです。一方、パートタイムや時短勤務の場合は、受給資格を満たす可能性があります。
- 雇用形態の考慮:障害者雇用枠での勤務や、特別な配慮が必要な場合は審査に反映されます。
ASDでの障害年金申請は、初診日や診断書の準備などで複雑になることが多いです。
専門の社会保険労務士に相談することで、スムーズに申請を進めることができます。