交通事故や病気、労災などで手足や指を失った場合、生活や仕事に大きな支障が出ることがあります。
このような場合、「障害年金」の対象となる可能性があります。

本記事では、上肢・下肢・指の切断に関する障害年金の等級基準や申請のポイントをわかりやすく解説します。

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の１つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。

障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

障害年金はきちんと保険料を納めている方の権利ですので、

障害年金を受け取っていないということは、65歳になっても年金を受け取っていないようなものです。

障害年金を受け取れる方は必ず申請することをお勧めいたします。

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障害年金を申請するための3つの条件

初診日要件・・・初診日（初めて現在の病気で受診した日）を書類で証明できること

保険料納付要件・・・一定額の保険料を納めていること

※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は不要です（20歳前障害年金）

障害認定日要件・・・切断又は離断日

※20歳前に初診日がある場合は、原則として20歳到達時に障害認定日になります。

上肢・下肢・指の切断と障害年金の対象

障害年金では、身体の一部が失われたことによる機能障害が対象となります。

【対象となる部位】

上肢（腕）

下肢（脚）

手指・足指（親指・第2指など）

切断だけでなく、癒着や壊死・欠損、または手術による切除なども対象になります。

下肢障害の等級目安（国民年金・厚生年金共通）

【1級】両下肢の用を全く廃したもの

・両下肢の足関節以上での切断

・両膝関節以上の関節が強直や筋力消失で歩行不可の状態

【2級】一下肢の用を全く廃したもの

・一方の下肢を足関節以上で切断

・一下肢の2関節以上が強直や筋力消失で歩行に大きな支障

【3級】一下肢の3大関節（股関節・膝関節・足関節）のうち2関節の用を廃したもの
（初診日に厚生年金に加入していた方のみ）

・リスフラン関節以上の切断

・両下肢の10趾の用を廃した場合

・人工関節や人工骨頭の置換

【障害手当金】

・一下肢の1関節に著しい機能障害

・一下肢の5趾の用を廃したもの

・一下肢を3cm以上短縮

上肢や手指の切断による等級目安（国民年金・厚生年金共通）

【1級】両上肢の用を全く廃したもの（両手使用不能）

【2級】一上肢の用を全く廃したもの（手首以上での切断など）

【3級】（初診日に厚生年金に加入していた方のみ）

一上肢の3大関節のうち2関節以上の用を廃したもの

　　 手指の多数を失った、またはその機能を喪失した場合

切断による具体的な認定基準の一例

障害内容	想定される等級
両手を手関節以上で切断	1級
片手を肘関節以上で切断	3級
両足を足関節以上で切断	1級
親指と人差し指を失った	3級（状況により2級も）
両手の指を全て失った	2級相当

実際の認定では、切断の位置・本数・利き手かどうか・日常生活への影響が総合的に判断されます。

よくある質問（Q&A）

Q1. 指を1本失っただけでも障害年金の対象になりますか？
→ 基本的には1本のみでは対象外ですが、親指や複数本の場合は対象となる可能性があります。

Q2. 事故による切断でも障害年金は受け取れますか？
→ はい、可能です。事故の場合は労災保険や自賠責とは別に申請できます。

Q3. 義手や義足を使っている場合でももらえますか？
→ 義手・義足の使用によって生活上の支障が軽減されていても、一定の障害状態があれば支給対象です。

まとめ

上肢や下肢、指の切断は、生活・仕事に大きな影響を与える重い障害です。
障害年金の制度を活用することで、経済的な支援を受けながら生活を続けていくことが可能です。

✅ ポイントは「初診日の証明」「診断書の内容」「等級に見合う症状の説明」です。

不安な場合は、障害年金の申請に詳しい社労士や専門家に相談することをおすすめします。
適切な申請で、正当な給付を受けましょう。

専門家への相談のメリット

社労士に依頼するメリット

①労力

体調が悪い方、働いている方にとっては障害年金の申請はなかなか大変な作業です。

社労士に依頼することで治療に専念できます。

②スピード

自分で申請すると半年ほど申請にかかってしまう場合もあります。

プロなら約3カ月で申請が可能です。

受給できるタイミングがその分早くなります。

➂受給可能性

障害年金の申請にはいくつかハードルがあり、本来受給できる方が不支給になってしまうことも…

プロならそのハードルを乗り越えることもできます。